Harue_Technical_High_School


高校受験の時

受験先である

春江工業から

三国は

20k以上離れているため

一度三国中学で出欠をとってから

会場へ向かうのが

セオリーだが

私の場合

あまり中学に行っておらず

同級生からも先生からも

言わば“はば”にされていた為

自宅から直接行くしかなかった

頼める人は

問題の親父しかおらず

朝市に行く“ついで”にと

約1ヶ月前から予約

3日前からは

しあさって

あさって

明日

と“カウントダウン”

もし例の“深酒”で行けなかったら

高校は諦めるしかなかった

当日朝5時頃

外を見渡すと

車のエンジン音

何とポンコツの“ハイエース”が

アイドリングされ

親父は車の中で待っていた

自分の勉強よりも

この事の方が心配で・・・・

支度を終え

私は車へ

親父は得意気な顔

特に朝の“おはよー”はない

親父:『イチローを乗せるし先にそっちいくわ!』

え?

マジか!

そう

親父の従兄弟である

その名は

“西イチロー”

同じく食料品店を経営

だが

車の免許を持っていない

正確に言うと“免許取り消し”なのだが

それには訳があり

彼は

若い時から

波乱の人生で

プレッシャーに耐え切れず

5度程人生を放棄

世捨て人として

大阪“あいりん地区”で路上生活

色んな人の手助けにより

救出するも

いつのまにか“蒸発”

幾度も“西成”へ

例の“エチルアルコール”入りの

酒をあおり

精神が崩壊

身包みを剥がされ

イザコザに巻き込まれ

後頭部を何度も激打

完全に“カーロス・リベラ”状態となり

そこから一族が

最後の救出

そして

やっと仕事を少しだけ出来る所まで

回復

そんな

彼を

親父は自分が市場に行く時は

必ず乗せていたらしい(私は当日迄知らなかった)

イチロー家に到着

ベンチシートで

私が真ん中に座り

イチローは窓際

親父は何故かイチローに厳しく

『はよ〜〜せ〜〜ったく❗❗』

イチロー:『タカちゃん怒らんといて』→親父の本名は隆夫

そして

会場に向け出発

お〜〜受験出来る

何だか現実味を帯びてきた

だが

その時

事件が起きてしまった

元々運転の荒い親父

カーブをほぼ“ブレーキング”なしで突入



ヤバイ
嫌な予感😅

遠心力で

イチローがドアにぶつかり



なんと
オープンザドア

オーマイガー
(あまりのイチローの非力のせいで助手席側のドアが“半ドア”だった)



ヤバイ

そのまま

イチローが

外へ!!!!

まるで

“スタントマン”ばりの勢い

イチローは

道路に頭を痛打

親父:チェっと口を鳴らし 急停車

血だらけになり

“ノックアウト”状態になった

イチローを脇に抱え

『ったく❗』

私:死なんの?

はよ病院へ

と思いけや

イチローを車に乗せ

出発進行



マジカ?

イチロー昏睡状態

親父:無視

そのまま会場に到着

会場に大勢の受験生

車から降りると

その車を見た人達が

ざわめき

ザワザワ・・・・・・

車を見渡すと

ドアに血痕

キャ〜〜〜と言う悲鳴も

窓ガラスには血だらけの頭が・・・・・・

ヤバイ

ここにいてはマズイ

私:急いで現場から立ち去り

関係者じゃないように



この後

どうなったかは

今でも謎である

好評“エジソン”シリーズ

次回へつづく・・・・